講演会
「脳卒中の予防 」についての講演会を行いました。

脳卒中の予防
―脳を守ろう―
日本は高齢化社会となり平均寿命が延びましたが、脳梗塞や認知症はふえ、寝たきりや介助の必要となるひとも増えてきました。これからは、寝たきりにならず、生活の基本的なことは自分ででき、介護を必要としない健康寿命をのばすことが重要となってきました。
現在、脳卒中は死亡原因として、癌、心臓病に次いで第3位であり、寝たきりの原因の中では第1位です。脳卒中を予防することは、元気で長生きするためにはとても大切なことです。脳卒中はむかしから中風(ちゅうぶ)といわれ、突然発症しますが、多くは生活習慣の中から忍び寄ってきています。日頃から、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満や運動不足、喫煙、多量の飲酒などのある方は脳卒中の危険因子であり、とくに注意する必要があります。
最近の脳卒中の診断においては、CT検査やMRI検査も普及し、痛みや危険もなく、早く簡単になりました。脳の血管造影も造影剤を用いなくてもできるようになりました。また、治療では、たとえ血管が詰まっても3時間以内であれば、血栓を溶かす治療も可能となり脳梗塞を最小限にできるようになりました。
かけがえのない脳を守り、生き生き楽しく生きていくためには、脳卒中の病気、対処法などを知り、できるだけ予防しておくことが大切です。たとえ、脳卒中になっても、病気を最小限に食い止める方法を知っておくことも重要です。
皆さんの、健康維持に役立つようなお話をしたいと思います。




脳卒中になるきっかけとその予防について
平均寿命と健康寿命
日本は平均寿命が延び高齢化社会となりましたが、これからは寝たきりにならず、介護を必要としない健康寿命を延ばすことが重要です。脳卒中は寝たきりの原因では第1位で予防が大切です。日頃の注意についてお話したいと思います。
脳卒中のタイプ
脳が突然(卒然) 何かに、中(あた)ったかのように倒れて、意識を失い、半身麻痺になることから脳卒中という言葉ができましたが、病気の原因は脳ではなく脳へ血液を運ぶ血管の障害です。障害には大きく二つのタイプに分かれ、閉塞するタイプの脳梗塞と破れるタイプの脳出血、くも膜下出血です。1980年までは脳出血が多かったのですが、現在では脳梗塞が約70%です。脳の血管は頭蓋底から脳の表面を覆う1〜5mmの太い血管と脳の中に入り脳細胞に酸素と栄養を送っている細い血管(穿痛枝)に分類されます。
脳卒中の予防
脳出血の原因は、長年の高血圧により壁が弱くなった脳内の細い血管が、血圧の上昇にたえられず破裂することです。脳出血は統計的に冬が多いといわれ、急激な血圧上昇が危険であり、寒い戸外に無防備に出たり、寒い浴室や熱い湯船は脳出血の誘因です。激論や慣れないスピーチなどの精神的興奮もほどほどに注意する必要があります。
くも膜下出血の場合は頭蓋底の約3−4mmの太い血管に発生した脳動脈瘤が破れます。脳動脈瘤の壁は薄くなっているために、高血圧症がなくても出血します。破裂するまで無症状ですので、予防は健診(脳ドック)で早期発見することです。5〜7mm以上の未破裂動脈瘤では、予防的に手術をすることもあります。寒さと破裂の明らかな関係はありませんが、血圧の上昇は破裂の引き金になります。便秘も注意が必要です。
ラクナ梗塞というのは、穿痛枝という細い血管が閉塞し、脳の中に約3mm以上の小さな脳梗塞ができます。高血圧症の方に多く、きっかけは脱水です。血液には赤血球や白血球、血小板などの固形物が含まれており、水分が減ると血液の粘度が上昇して詰まりやすくなります。汗をかく前に水分を補給しておくことが大切です。
アテローム血栓性脳梗塞というのは太い血管の内膜に脂肪が沈着して細くなっているところへ炎症や脱水による血液の粘度が高まり閉塞します。MRIや頚動脈エコー検査(超音波検査)で、動脈硬化の程度を知っておくことも重要です。
心原性脳梗塞というのは、心臓の不整脈により心臓内の血栓がはがれて脳の血管に詰まることですが、これも脱水が大いに関係します。
最後に
脳卒中の危険因子は高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、喫煙、多量の飲酒、肥満、運動不足といわれています。日頃、注意していてもわずかなきっかけで発症することがあります。脳出血の予防には急激に血圧が上昇しないよう、寒さへの対処や入浴の注意が必要であり、脳梗塞の予防には脱水にならないように用心することがとくに大切です。
健康生活講演会 平成19年2月18日 春日公民館にて


脳神経外科 ・リハビリテーション科
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